企業知財の一日|発明発掘から特許出願・契約までの仕事の流れ【GrIP】

企業知財担当者B氏の1日:発明を「かたち」にする毎日

企業の中で「知財担当者」はどんな一日を過ごしているのでしょうか。
企業知財は、発明のアイデアを見つけ、特許として形にし、事業を守る仕事です。
静かなデスクワークの裏側には、創造と戦略が詰まっています。

今回は、企業知財担当者B氏の一日に密着し、発明を「かたち」にする現場のリアルを紹介します。

AM8-9時
メール確認・発明打ち合わせ-発明を「かたち」にする時間へ-
  • 特許庁からの連絡確認
  • 代理人とのやり取り整理
  • 社内依頼メール確認
  • 発明発掘ミーティング
  • 特許性ポイントの検討
AM9-12時
出願書類の作成
-技術と言葉を繋ぐ作業
  • 明細書の文言を整理
  • クレームのバランス調整
  • 法的要件の確認

発明者の意図を反映しつつ、最適な構成を検討

PM0-1時
ランチ&知識アップデート
ひと息つきながら情報収集-
  • パン屋でランチ
  • SNS・ニュース確認
  • 他社の出願動向をリサーチ
  • AI・特許制度の最新情報
  • 業界トピックの収集
PM1-5時
相談対応・知財判断
見えないけれど欠かせない仕事-
  • 事業部からの相談対応
  • 他者特許のリスク確認
  • 対抗策の検討
  • 上司と協議・判断材料作成
  • 特許管理システム更新
  • 期限管理・資料準備
PM5-6時
進捗確認・翌日準備
デスクワークの中の創造と戦略-
  • 1日の進捗振り返り
  • 明日の予定を整理
  • タスク管理ツール確認
  • スケジュール表をチェックして漏れ・遅れの確認
  • 次のアクション準備

朝 ― メール確認と発明打ち合わせからスタート

朝はまずメールのチェックから始まります。
特許庁からの連絡や代理人とのやりとり、社内の依頼メールなどを整理し、
その日の優先タスクを明確にします。

午前中に打ち合わせが入っている日は、研究開発部門の発明者との発明発掘ミーティングを行います。
発明の内容をヒアリングしながら、「どこに特許性のポイントがあるか」「どんな構成で表現すべきか」
一緒に考えていきます。

単なる“書類作成の前段階”ではなく、アイデアを技術情報に変換する知的プロセスそのもの。
技術の本質をどう言語化するかが、その後の明細書の質を左右するため、この時間は特に集中します。

打ち合わせ後は、自分のデスクで出願書類の作成に取り掛かります。
明細書の文言を整え、クレーム(権利範囲)のバランスを調整しながら、
法的な要件と発明者の意図の両方を満たすように構成を練ります。
まさに、「技術と言葉をつなぐ作業」です。

昼 ― パン屋のランチでひと息

お昼は会社の近くのパン屋でパンを買い、デスクで軽く昼食をとります。
仕事の合間にSNSやニュースサイトをチェックして、業界の動きや知財トピックを収集。
他社の出願動向やAI・特許制度のアップデートなど、知識をアップデートする時間にもなっています。

午後 ― 事業部からの相談対応と知財判断

午後は、事業部門からの相談対応が中心です。
他社の特許出願が自社の事業に影響しそうな場合、その内容を確認し、リスクや対抗策を検討します。

必要に応じて上司や他の知財メンバーと協議し、
「設計変更すべきか」「ライセンス交渉を検討するか」といった判断材料を整理します。

一方で、日々の書類作成や管理業務も進めなければなりません。
特許管理システムの更新、期限管理、社内資料の整備など、
「見えないけれど欠かせない仕事」も多くあります。

夕方 ― 進捗確認と翌日の準備

定時が近づく頃には、1日の進捗を振り返り、明日の予定を整理します。
タスク管理ツールやスケジュール表を確認し、漏れや遅れがないかをチェック。
複数の案件が並行して進むため、小まめな整理と振り返りが欠かせません。

日々の仕事は多岐にわたりますが、
どの業務も「発明を守り、事業を支える」という共通の目的につながっています。
静かなデスクワークの中にも、創造と戦略が詰まった時間です。

おわりに ― “発明を未来につなぐ”というやりがい

特許出願は、単なる法務手続きではなく、
発明者の思いを「権利」というかたちで未来へ残す仕事です。

日々の業務の中には地道な作業も多いですが、
技術を正しく理解し、社会に広げていく橋渡し役としてのやりがいがあります。
明日もまた、ひとつの発明から新しい可能性を生み出す1日が始まります。

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