就活で研究職以外の道を考え、知財にたどり着いた話

目次

はじめに

はじめまして。NGB株式会社で働いている田所凌と申します。

私は2020年に新卒で入社し、現在は知財領域、特に特許情報の調査・分析に関わる仕事をしています。

この記事は、

「研究をこのまま続けていいのか少し迷っている」
「知財という選択肢が気になっているが、判断材料が足りない」

そんな理系学生の方に向けて書いています。

なお、知的財産と一口に言っても範囲は広いですが、
本記事では特許に話を絞ります。

技術の世界から、少し距離を感じ始めた頃

大学院では電力系の研究室に所属していました。
研究内容自体は興味深く、分野としても安定していると感じていました。
OBの進路も、電力会社やメーカー技術職が中心で、いわゆる王道ルートです。

一方で、修士1年の頃から次のような感覚を持つようになりました。

  • この分野には、自分よりも経験や実績を積んできた人が多く、レベルの高い世界だと感じていた
  • その中で、この分野に進んだときに、自分がどんな形で貢献できるのかを具体的に思い描けなかった

研究が嫌いになったわけではありません。
ただ、この流れにそのまま乗っていいのかという点には、どこか引っかかりがありました。

特許という選択肢

特許と初めて向き合ったのは、修士1年のときに履修した授業でした。
履修理由も、正直なところ負担が軽そうだったから、という消極的なものでした

授業の中で聞いた、

「特許は技術と法律の掛け算である」

という説明は、それまで考えたことのなかった視点だと感じました。

そのとき私は、技術の専門性だけ、あるいは法律の専門性だけで評価される世界とは違い、
二つの分野の知識を行き来できる人は、何か特徴を持った存在になれるのではないかと感じました。

もちろん、今振り返れば、
技術と法律の両方を知っていれば自動的に価値が生まれる、というほど単純な話ではありません。

それでも、専門性の組み合わせによって、関わり方や評価のされ方が変わる可能性があるという考え方は、進路を考えるうえで、一つの気づきを与えてくれました。

未経験の分野に進むことへの不安

特許に興味を持った一方で、迷いがなかったわけではありません。

一番大きかったのは、まったく未経験の分野に進むことへの不安です。

それまで触れてきたのは、研究や技術の世界でした。特許は授業で知ったばかりで、実務のイメージも、業界の常識も、ほとんど分からない状態です。

「興味がある」という気持ちだけで選んでいいのか。この点については、就活中ずっと考えていました。

知財業界をどう理解しようとしたか

就活の中で自分の感じている興味が、どの立場・どの仕事に結びつくのかを整理するため、特許を一つの職種として見るのではなく、知財業界全体の構造を調べることから始めました。

調べていく中で、
特許に関わる仕事は大きく見て、

  • 企業の知財部
  • 特許事務所
  • 特許庁

という三つの立場に整理できることが分かってきました。

私は就活を進める中で、これら三つの立場を実際に知るため、インターンや会社説明会に参加し、業界構造の解像度を上げることを意識していました。

同じ「特許」という言葉を使っていても、立場が変われば、前提としている考え方や関心事は大きく異なります。

こうした違いを実感できたことで、特許という分野が、それまでよりも立体的に見えるようになりました。

就活の進め方

就活を進めるにあたっては、感覚で決める部分と、割り切って決める部分を意識的に分けるようにしていました。

給与や勤務地のように数字で比較できる条件に加えて、知財配属の確度や教育体制など事実ベースで差が出る条件も基準化し、企業ごとに点数を付けて整理しました。

条件を並べていくと、「行かない選択肢」は比較的早い段階で明確になります。

一方で、会社の風土や社内の雰囲気のように、実際に話を聞かなければ分からない部分もありました。

そうした点は、条件を並べるだけでは判断できず、最後まで数字だけでは整理しきれませんでした。

NGBという立ち位置

企業の知財部、特許事務所、特許庁のそれぞれについて話を聞く中で、
どの立場にも、それぞれ明確な役割があると感じました。

一方で、説明を聞けば聞くほど、
自分がやりたい仕事を一つの立場に当てはめるのは難しいとも思うようになりました。

ある場面では、企業知財部の視点が一番近く感じられ、
別の場面では、特許事務所の考え方の方が腑に落ちる。

ただ、どの立場にもそれぞれ魅力があり、
優劣をつけて一つに絞ることができない、という感覚もありました。

その点、NGBの仕事は少し違って見えました。
特定の立場に立つのではなく、
企業・特許事務所・特許庁の三者と関わりながら、特許情報を扱う仕事だったからです。

就活中に見てきた選択肢の中で、
三つの立場すべてが日常的な前提になっている仕事は、NGB以外にありませんでした。

結果として私は、
「どれを選ぶか」ではなく、
「どれにも完全には寄らない」という形で、NGBを選びました。

おわりに

進路選択に、絶対的な正解はありません。就活の中で迷いや不安を感じること自体は、ごく自然なことだと思います。

私自身も、研究を続けるべきか、未経験の分野に進んでよいのか、最後まで悩みながら就活を進めていました。

それでも、時間をかけて考え、調べ、納得した上で選んだ道であれば、その選択には意味があると、今は感じています。

この記事が、これから進路を考える方にとって、自分なりの判断軸を整理するための一材料になれば幸いです。

田所 凌

NGB株式会社 IP総研 研究員

2020年より日本技術貿易株式会社(現・NGB株式会社)IP総研に入社

製造業や通信事業の分野において、侵害防止調査や無効資料調査といった特許調査業務に従事

現在は同分野におけるIPランドスケープを中心とした事業分析や技術開発戦略・知財戦略の策定に従事

2023年に知的財産アナリスト(特許)に合格

特許検索競技大会2025(一般財団法人工業所有権協力センター主催)電気部門 ゴールド認定

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