自己紹介
リーガルテック株式会社にて、マーケティングを担当しております三島 善太と申します。
私は、大阪府高槻市で生まれ、父が大手企業で半導体関連の研究員をしていたこともあり、幼少期から転勤が多い家庭で育ちました。4年に1回の転勤が当たり前のような生活で、これまでの引っ越し経験は17回ほどあります。
大阪で生まれ、中学・高校時代は兵庫県で過ごしましたが、関東での生活もすでに17年を超え、今ではすっかり関東での生活が長くなりました。
高校時代はソフトテニス部に所属し、全国大会出場を目標に練習に打ち込み、総体の団体戦では近畿大会に出場することができ、ひとつの目標に向かって仲間と努力する経験は、今の仕事にもつながっていると感じます。
大学の進学で関東に引っ越し、スポーツマネジメントとプログラミングを学びました。
大学時代、東日本大震災の被災地でのボランティア活動がきっかけで、人力車の俥夫と出会い、私自身も鎌倉で人力車を引く仕事を経験しました。
観光で来られた方に、街の魅力や歴史を自分の言葉で伝える。相手に合わせて話し方を変え、短い時間の中で満足してもらう。この経験は、のちに営業という仕事をしていくうえでも大きな土台になったと思います。
知財専門のキャリア支援
そんな私が、知財や弁理士という世界を知ったのは前職に入ってからです。
それまでも「特許」という言葉は聞いたことがありましたが、商標、権利化、明細書、中間処理といった言葉はほとんど分かってなく、弁理士という職業についても深く理解していませんでした。
前職では、士業領域に特化した転職サービス「LEGAL JOB BOARD(以後LJB)」に関わり、知財領域の支援部門を立ち上げるタイミングに恵まれました。
2018年4月から、私はどっぷりと知財業界に携わることになります。
最初は、業界との接点が全くない状態だったので、まずは、とにかく現場の声を聞くことでした。
ひたすら電話をしてアポイントを取り、各特許事務所へ足を運び、採用や人材に関する課題を聞いて回りました。
どこの事務所に行っても、よく出てくる言葉がありました。
「即戦力者が転職市場にいない」
これは本当に多くの事務所で聞いた言葉です。
弁理士資格は取得までに時間がかかることも多く、研究開発職などを経て知財業界を目指す方も少なくありません。
当時、LJBでは土地家屋調査士資格者の支援も行っており、土地家屋調査士もかなりニッチな資格であるため、私は当初「弁理士よりも資格者数は少ないのではないか」と思っていましたが、弁理士の資格登録者数は土地家屋調査士よりも少なく、当時で約5,000名ほど差があることが分かりました。
自分が想像していた以上に、弁理士という資格者は希少な存在なのだと実感した出来事でした。
その一方で、特許事務所からは「即戦力者が転職市場にいない」という声を多くいただいていました。
今でこそ転職は一般的になりましたが、当時、35歳までの実務経験者が転職市場に多く出てくるわけではありませんでした。
そこで私が考えたのは、すでに経験を積んだ即戦力者だけを探すのではなく、未来の弁理士になり得る弁理士試験の受験生を見つけ、特許事務所で活躍してもらうことでした。
ただ、受験生を見つけること自体が簡単ではなく、当時は、受験生が検索しそうなキーワードをひたすら狙い、オウンドメディアで記事を大量に作成していました。
また、受験生がよく見ているメディアの運営者にお願いし、弊社の取り組みを紹介していただくこともありました。
さらに、弁理士試験の受験会場でチラシを配ることも始めました。
当初、会場周辺でチラシを配っていたのは主に予備校で、その中に混ぜてもらう形で、私たちも宣伝活動を行っていました。
今では他の企業も同じような取り組みをしているかもしれませんが、当時、口述試験の会場でチラシを配っていた会社は、私たちだけでした。
ただ、私は単に自社サービスを宣伝するだけでは、あまりにもテイカーだと感じ、弁理士試験に合格した方々に対して、2019年に弁理士試験の合格者向け祝賀会をリアル会場で主催しました。
当時も、予備校や弁理士の各会派による祝賀会はありましたが、予備校に通っている必要があったり、会派に所属する事務所の偉い方のお話を聞き、事務所紹介を受けるような場が多い印象でした。
もちろん、それ自体に価値はあり、必要とする人もいるので否定はありませんでした。
ただ一方で、もっと誰でも気軽に、フラットに参加できる祝賀会があってもよいのではないかと考え、営業色をできるだけなくし、合格者の方々のためだけの会にしようと考えました。
会場、食事、景品もできる限りきちんと準備し、参加したからといってLJBを使い続けなければならない、という空気も一切出さないようにしました。
(むしろ、祝賀会に参加した後にサービスを退会しても構わない。そのくらいの気持ちで企画していました。)
私が大切にしたかったのは、合格者同士のつながり。
弁理士試験に合格した方々は、その後、それぞれ別の事務所や企業でキャリアを歩んでいきますし、当時は知財実務未経験の方も多く、不安もあったと思います。
だからこそ、同じ年に合格した同期のつながりは、将来必ずどこかで支えになるはずだと感じていました。
祝賀会が終わった後も、合格者だけでつながりを持っていただいた方がよいと思い、何名か合格者に声をかけ、二次会を開いていただきました。
そこでは、私たちが前に出るのではなく、合格者の方々だけで楽しんでいただくことを大切にしました。
ありがたいことに、今でも2019年合格の弁理士の方々とは仲良くさせていただいており、何かとお世話になっています。
この経験を通じて強く感じたのは、知財業界は人と人とのつながりで成り立っているということです。
転職支援という仕事は、求人を紹介して入社して終わりではありません。
候補者の方がどのような経験を持ち、どのような環境で力を発揮できるのか、事務所や企業が本当に求めている人材はどのような人なのか、その間に立ち、双方の言葉になっていないニーズを整理する仕事でした。
特に知財領域では、単に資格や経験年数だけで人材の価値を判断することはなく、技術を理解する力、発明者と会話する力、文章に落とし込む力、事業や研究開発の方向性を理解する力など、複数の力が重なって、その人ならではの価値が生まれます。
そして今、その価値の出し方はさらに変わり始めていると感じています。
知財人材のキャリア支援をしてきた私が、いまAI×知財に向き合う理由
生成AIの登場により、知財業務の一部は確実に変わりつつあります。
調査の初動、発明メモの整理、類似技術の把握、比較表の作成など、これまで人が時間をかけていた前工程をAIが支援できるようになってきました。
一方で、AIが知財専門家の役割をすべて代替するわけではありません。
むしろ重要になるのは、AIが整理した情報をどう読み解くか。
どの情報を重視し、どのように判断し、研究者や開発者、経営層にどう伝えるか。
そこには、これまで以上に人間の専門性が求められると思います。
現在、私はリーガルテック株式会社で、特許専用AIサービス「MyTokkyo.Ai」に関わっています。
MyTokkyo.Aiは、自然文で入力した発明メモや技術情報をもとに、特許調査や発明整理の初動を支援するサービスです。
研究者や開発者が持っているアイデアを、知財部や弁理士に相談しやすい形に整理する。
あるいは、知財担当者が調査の前工程を効率化し、より重要な判断や戦略に時間を使えるようにする。
前職と現職は、一見すると違う仕事のようですが、私の中では繋がっていて、前職で向き合っていたのは、「人の可能性をどう言語化するか」でした。
今向き合っているのは、「技術や発明の可能性をどう整理し、次の検討につなげるか」です。
対象は人から技術へ変わりましたが、本質的には、まだ見えていない価値を見つけ、整理し、前に進める支援をしているのだと思います。
AIによって、作業の一部は効率化され、これまで専門家だけが担っていた業務の前工程に、研究者や開発者自身が関われるようになる場面も増えるでしょう。
しかし、それは知財専門家の価値が下がるということではなく、むしろ、専門家がより本質的な仕事に集中できる環境が整っていくと考えています。
これからの知財人材に必要なのは、AIを恐れることではなく、AIを使いながら自分の専門性をどう発揮するかを考えることだと思います。
そして、知財業界に関わる一人として、私自身もその変化を前向きに捉え、これからも知財業界に、少しでも貢献できる仕事をしていきたいと考えています。

リーガルテック株式会社 Bizdev / シニアマネージャー
知財・法務領域の人材紹介事業を立ち上げを経験し、約3,000名のキャリア支援を通じ、知財業界の実務や人材市場への理解を深める。
現職では、営業、マーケティング、事業開発を横断して担当。セミナー・ユーザー会・コミュニティ運営を通じて、知財業界におけるAI活用の普及と事業成長を推進。
長時間散歩・究極のチャーハン巡りが趣味です。




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