弁理士法人NTの中村忠則です。私は、全く知財経験がない状態で弁理士資格を取得し、38歳で転職。12年間、弁理士法人R&Cに勤務後、2024年4月に弁理士法人NTを開業しました。
2期目が順調に進んでおりますので、私の事務所経営についてまとめてみたいと思います。
目次
(第一回)
- 身の丈に合った成長を図る
- 全業務を自分で経験する
(第二回)
- 納期を前倒す
- クライアントの信頼を得る
- 売上を予測する
(第三回)
- 売上を活用する方法のリソース(ヒト)最大化
- 「売上を活用する」方法のリソース(モノ、カネ)最大化
- リソース(カネ)のPDCAサイクル
(第四回)
- リソース(ヒト)の最大化を図るための心構え
- 仕事量を増やす
- 生成AIとの向き合い方
- 特許事務所の社会貢献
1.身の丈に合った成長を図る
私の事務所経営について一言で言いますと、「身の丈に合った成長を図る」です。1期目は利益が出ないことが通常ですので、そこは覚悟をして事務所の知名度と信用向上に努めました。
「仕事を何故するのか」というと生活のためであることは勿論ですが、「お客様の役に立つ」ためが大きなウエイトを占めています。「お客様の役に立つ」ことができれば、自分のモチベーションが高まりますし、そのために日々努力することで、自己研鑽も図れます。さらに、お客様の利益に繋がれば、事務所と企業とが一緒になって成長し続けることができます。
ですので、「法人」を作った時点で、私の分身として扱うのではなく、この法人を別人格を持った存在として客観的にとらえ、この法人をいかに持続可能なものにしていくかを意識しました。このような捉え方をすれば、法人を私物化することもありませんし、自分よりも遥かに長い年月存在させ続けることができます。この考え方が「身の丈に合った成長を図る」ことの根底にあります。
「身の丈に合った成長を図る」とは、1年目、2年目、3年目と順番に事務所の「ヒト、モノ、カネ」の規模感をイメージしながら、その規模感を実現するために今やることを逆算することです。逆算するためには、自分の事を客観的に評価し、自分の強み・弱みを整理してイメージすることが大切です。
同時に、事務所が予想以上の成長を図るために、自らの強みを伸ばし、弱みを無くす努力をしなければなりません。そのためには時間を要しますので、まずは一人で達成できることを考えることが重要で、それ以上の成長を図るためにはどの様な「ヒト、モノ、カネ」が必要かをイメージします。
私の場合、1期目は事務所として必要となる全ての業務を自分で経験してみて、効率化を図る上でどうすればよいかを検討しました。事務所として必要となる全ての業務量は、スタートアップ時点が最も少ないので、経験できる機会は開業1期目しかありません。2期目以降になって思い描いた成長が図られれば、業務量が増えますので、必ず助けてくれる人材が必要となります。必要となる全ての業務を自分で経験していれば、私と従業員との間で明確な役割分担を図ることができますし、未経験者も教育することができます。纏めますと、当たり前のことですが、まずは「全業務を自分で経験する」ことが貴重な財産となります。
1-1.全業務を自分で経験する
実際に私が実行した内容を説明します。私は経営学について全く勉強した事がなく、独自の経営プランを構築して実践しており、全く参考にならないかもしれませんので、ご留意下さい。
独立して事務所を開業する場合、弁理士として独り立ちできる経験値と人脈が大切になりますので、自分を客観的に見て仕事を頼みたいと思えるかを指標として勤務弁理士を続けました。私の場合、13年間公務員をしてからの勤務弁理士でしたので、10年程度でその感触を得られ、50歳近くになってしまいました。また、給与を支給される勤務弁理士から自分で給与を稼ぐ独立弁理士になるわけですから、半年間無収入でも家族に迷惑が掛からない貯蓄も必要ですが、概ね500万円程度の貯蓄で大丈夫だと思います。
まず、法人設立後に必要な実務を頭の中で整理して1か月程度で慣れるように失敗を繰り返しながら実行しました。ここでの失敗は内向きのベクトルでして、やり直しがきくと共に経験値を得られるので、恐れずスピード感をもって取り組みます。もちろん短期的な売り上げは全く見込めない、将来に向けた投資という位置づけです。
法人設立後に必要な主な実務は、パソコン等のオフィス環境構築、会計ソフトや労務手続き、特許のうち図面作成・意匠・商標実務スキルの習得です。これらは実際に収益を得られるものではないので、1か月と短期的な目標を定めて取り組みました。
第二回へ続く

弁理士法人NTの代表弁理士です。NTはNew Typeの略称です。イニシャルもかけています。 ホームページで平日は知財関係ブログ作成を日課にしてますので、是非ご覧ください。
日本弁理士会の知財支援センターと関西会の知財普及・支援委員会で小学生〜大学生まで知財授業やパテントセミナーをして、弁理士普及活動頑張ってます!!

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